ICL

ICL(フェイキックIOL)体験談(2018年2月27日) 手術6ヶ月前から手術後6ヶ月の記録

体験談

2018年2月27日にICL手術を受けました。手術前・手術当日・手術後の記録やその時の気持ちを綴ります。

近視矯正においてICLの認知度は高まりつつあります。強度近視の方はICLに興味がある方が多いでしょう。しかし「ICLをやってみたい気持ちはあるけれど、不安があって踏み出せない」という方が大多数なのではないかと想像します。

私自身もICL手術を受けようと決めるまでには不安や迷いがありましたし、手術を受けると覚悟を決めた後も、ICLをすることは正しい選択なのだろうか、やっぱりやめておいたほうがよいのではないだろうかと気持ちが揺れ動きました。手術当日まで悩み、心配しました。

ICLのことや病院選びに際しては様々な方のブログを読ませていただきました。特にリアルな体験記はとても参考になりました。ですので、私自身も迷っているという方のお役に立てればと思い、ICL体験記を綴らせていただきました。参考になれば幸いです。

ICL手術6ヶ月前:初めての診察

ICL手術を受ける病院選びには半年以上は悩んだ気がする。決定打がないまま、ICL手術の限界年齢45歳が近づき覚悟を決める。

最終的にはレーシック・ICL専門クリニックではなく白内障専門の眼科で手術を受けることに決めた。 あるインタビュー記事を読んで「この先生から手術を受けたい」と感じたからだ。

その先生が在籍されている眼科は決して大きなところではなく、その点については正直不安もあったが、先生への信頼を優先させた。 最初の診察で「コンタクトではだめなの?」と聞かれた。安易にICLを勧めない先生の姿勢に信頼感が増した。

初回の診察は簡易検査。緑内障等の問題はなさそうなので次回、詳しい適応検査を受けることになった。検査1週間前からコンタクトを外すように言われた。

ICL手術5ヶ月前:適応検査

適応検査はがっつり3時間くらいかかった。一通りの検査が終わった後、待合室で先生の診察を待つ。

診察室では検査医と先生が話をしているが、何やらもめている様子だ。診察に呼ばれる。案の定、先生から「◯◯の数値が手術基準のボーダーラインだ。判断が難しいのでメーカーに確認する」と言われた。

せっかく覚悟を決めたのに手術を受けられない可能性が出てきた。 その後、1週間後くらいに病院から電話がかかってきて手術はOKと言われ安堵する。

ダイゴ
ダイゴ
一方で手術不適応と言われたら手術への恐怖から逃れられるのにという思いもありました(笑)。

ICL手術2ヶ月前:視力検査

レンズの度数決定のために視力検査を行う。視力検査も1週間前からコンタクトを外すように言われた。視力検査は日を変えて2回行われた。

先生からは視力1.5を目指すと老眼になった時に辛くなるので1.0-1.2を目指したいと言われた。私もそれに同意した。(※実際、最終的に1.2となった。見えすぎによる辛さもまったくなくとても快適な視力となった)

ICL手術1ヶ月前と2周間前:手術前検診

先生による目のチェック。特に問題はない。先生に手術当日はよろしくと言われる。ベルトコンベアー式ではない顔の見える手術で、この眼科で手術を受けることにしてよかったと思った。

ICL手術3日前

手術3日前からコンタクトはつけられなくなる。それと同時に1日4回の点眼が始まる。これまで特に手術に向けて緊張を感じることはなかったが、点眼が始まり、いよいよ3日後には手術と思うと急に緊張してきた。

ICL手術当日

手術当日は13時に病院入り予定。午前中は仕事をしてきてよいと言われていたが、もちろん休んだ。手術当日の午前中に仕事ができる人は相当タフだろう。

落ち着かず12:30には病院入り。昼食は軽めにと言われていたし、食べたい気分でもないのでほとんど何も食べずに来た。

しばらくして会計を済ませ手術服に着替える。手術服と言っても着てきた服の上に被せてきるだけだ。手術服を着るといよいよという感じで緊張してくる。

緊張で咳が出やすくなっている。用意してきたお湯を飲んだりのど飴を舐める。手術中に咳が出たらどうしようと心配になる。

手術前にいくつかの目薬をして時間を待つ。準備ができたということで手術室に誘導される。

手術椅子に座り、リクライニングしてほぼ床と並行まで倒される。目に何か印をつけられる。右目・左目と書いているようだ。レンズを間違えないようにするための工夫だろうか。

また緊張で咳が出る。先生から咳が出そうになったら(危ないので)教えて下さいと言われる。でも本当に緊張したら交感神経が優位になって咳は止まるよと言われた。実際、手術中は咳がでなかった。

手術のプロセスは事前に色々な人の体験談を読んでいたので不安になることはなかった。右目からスタートする。強い光を当てられ、その光の方向を見るように言われた。とてもまぶしくて見るのは大変のように思えたが、すぐに慣れた。それに強い光で視界も頭もぼーっとして手術の恐怖を忘れることができた。光のほうを見ること。それに集中することで、他のことを忘れられた。

目に何か液体をかけられる。消毒をしているのだろうか。そのあと、見えてはいないが、レンズを入れるため、眼にメスを入れられる。痛みは全くなく、2~3分程度で終了する。

レンズを入れる準備をするのでリラックスして待ってて下さいと先生から声をかけられる。リラックスなんてできないだろうけどとも付け加えられる。

後から振り返ると、眼にメスを入れられ、レンズを入れる準備をする待ち時間が一番嫌だった。手持ち無沙汰で考え事をしてしまうからだ。待ち時間は数分程度だったと思う。

レンズを入れる。他の方の体験談ではレンズを入れるとき痛かったとあったが、自分の場合はそれほど痛みはなかった。何か入ってきているなと思うくらいだった。

レンズが眼の中に入ってきた瞬間はよくわかった。正確に言えば折りたたんで入ってきたICLが眼の中で広がった瞬間だと思う。

それで終わりではなく、レンズの位置調整をぐりぐりされる。それほど痛くはないが、きちんと所定の位置に収まるのだろうかと不安になる。手術の中で位置合わせが一番時間が長かったような気がする。もちろん正確な時間配分はわからない。

右目が終わりましたと言われ、右目をふさがれる。レンズは入ったものの、どのように見えるかわからないので心配だ。

左目に移る。左目は右目よりもさらに時間がかからず、眼にメスを入れるまでの時間はほんの1分程度に感じた。レンズを入れるまでの待ち時間が長く感じる。そしてまたレンズを入れられ、位置合わせのためにぐりぐりされる。これも右目よりも時間がかからず、割とあっという間に終わった。

手術が終わった瞬間はとてもほっとした。重圧から解放された。助手の方に手を取り誘導され、手術室外のリクライニングシートに腰掛ける。眼帯をしたままここで1時間程度休むように言われる。

リクライニングシートで手術が終わった安堵感を噛みしめる。と同時に本当に見えるようになっているのだろうか、変な見え方になっていないだろうかという不安な気持ちで時間を過ごす。手術前の緊張から手術後の不安と忙しい。

助手の方に声をかけられ眼帯を外す。緊張の一瞬だ。正直、眼帯を取ったときは動揺した。視界は白いもやがかかり、光が乱反射する。カラーではなく色あせた世界。右目と左目の見え方が違う。

先生に術後は目の表面が荒れていて、もやがかかっているように見える。心配しなくてよいと言われる。右目と左目で見え方が違うのは瞳孔の開き方が違うからだと説明を受ける。少し安心する。

実際、それから30分、1時間とするとだんたんと見え方が改善されてくる。正常とは程遠いけれど、よくなってきているので一安心する。

眼圧の検査をする。眼圧の検査はとても重要だとICL手術の事前説明の時に聞いた。眼圧は正常だということでほっとする。もう帰っても大丈夫だけれど、心配だったらもう少し休んでいってよいよと言われる。もちろんそうすることにした。

それからさらに1時間程度経過し、また眼圧を測り、正常であることを確認する。明日の検査の予約や明日からの飲み薬・目薬の説明を受け病院を後にする。事前に用意しておいた保護メガネをかけ外に出る。

そういえば当日は視力検査がなかった。他の人の体験談では当日の視力検査が一般的だったが、ここではなかった。なくて当然だと思う。当日のこの不安定な状態で視力を測っても意味がないだろう。

外に出るころにはほぼ正常に見えるようになっていた。家に着くころには外が暗くなり、街灯がまぶしい。事前に聞いていたハロ・グレアが酷く、車やバイクのヘッドライトが当たると前が見えない。これではとても運転はできない。

もしこれがこのまま続いたら辛いだろうなと思いつつ、同時に仮にこれが続いたとしても手術をしたことに後悔はしないだろうなとも思った。

非常に空腹を覚え、せっかくなので美味しいものが食べたかったけれど、我慢できずにコンビニでおにぎりを買って食べる。

目薬をして眼帯をして寝ることにする。もちろんお風呂は入れないし、顔を拭くこともだめだ。目の周りが気になる場合は清浄綿で拭いて下さいと言われた。

ICL手術翌日

手術後の夜は早めにベッドに入ったが、手術が終わっての安堵と見えることの興奮であまり眠れなかった。

朝、喜びが満ちあふれてどうしようもない。手術での不安感、緊張感から解放された反動のあるかもしれないが、大げさではなく人生が変わった気持ちだ。色々なことへの感謝の気持ちが出てくる。気持ちも前向きになってくる。

右目も左目もほぼ完璧に見える。これ以上望みようもないくらい。右目は近いところが文字がくっきり見えない。老眼なのかまだ見え方が完全ではないのかの判断はできない。近いところが合わせづらいと思っていた昨日の懸念について言えば、左目は近いところでも見えるようになった。

手術翌日は検診。会社は休む。寝不足だが喜びに満ち溢れていて気分は高揚している。外に出かけるのが嬉しい。外出時は事前に用意した保護メガネをする。

11:45から診察。目の状態もよくレンズもよい位置に収まっているとのこと。

3種類の目薬を1日に4度する。これを3カ月間行う。目薬はかなりしみる。そしてこれから1週間、髪の毛が洗えない。ICL手術後にシャンプーをしていけない理由は2つある。一つは目の傷口に水が入ってはいけないから。もう一つがシャンプーの姿勢で眼圧を上げてしまう恐れがあるから。

ICL手術2日目

目の見え方は全く問題ない。痛みや違和感もない。昨夜はようやく眠れた。しっかり眼帯をしておいてよかった。夜、無意識に目のほうに手をやっていて、眼帯を触って起きることがあった。

今日も会社は休む。検診はなし。目の充血はまだ右目がひどい。目薬は相変わらずしみる。視力の見え方は落ち着いている。よく見える。

ICL手術3日目

3日目検診。手術をしてくれた先生とは別の先生が診てくれる。レンズ位置が完璧だと驚かれる。レンズの収まり方はやや個人差があるようだ。僕の場合はかなりよいようだ。

ICL手術1週間後

近くのものがボケて見えるという症状が少しおさまってきた。まだ少しボケるが手術翌日よりはかなりよくなって、生活上は不便ない。

どうしても人の集まる場所に外出しなくてはいけない用事があり、妻にシャンプーをしてもらう。感謝。

ICL手術1ヶ月後

定期検診。とても良好。今日から目薬が1日2回1種類だけになる。もう運動もOKとなる。

ICL手術3ヶ月後

定期検診で問題なし。レンズはよい位置に収まっている。視力も1.2程度。今は近くのものにもしっかりと焦点があたってボケて見えることはない。とても快適。いまだに日々感謝している。今日から目薬もなくなり感慨深い。

ICL手術6ヶ月後

バドミントンのシャトルを眼球に当ててしまうというハプニングはあったが、定期検診では問題なし。レンズはきれいに収まっている。念の為眼底検査もしてもらった。異常なし。視力は右目が1.5、左目が1.2。前よりよくなっている。

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現在の心境

ICL手術を決断するまでは、手術リスクが心配でこのまま一生コンタクトでよいのではないかという気持ちになることもありました。手術を決断した後も手術当日まで不安な気持ちでいっぱいでした。しかし現在は本当にICL手術を受けてよかったと感じています。とても晴れやかな気持ちです。術後3カ月以上経過しますが、毎日、快適に見えることに感謝しています。

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