ICL

これでスッキリ!フェイキックIOLとICLの違い

違い

眼内コンタクトのことを調べていくと様々な言葉が出てきます。フェイキックIOL、ICL、前房型、後房型。最初はどう違うのかと混乱すると思いますが、整理すると次のようになります。

フェイキックIOLとICLの違い

フェイキックIOLとは?

フェイキックIOLとは水晶体を残したまま入れる眼内レンズの総称です。人の水晶体の上に人工的なレンズを入れます。

フェイキック(phakic)とは水晶体という意味です。IOLは”Intraocular Lens”の略称で眼内レンズの意味です。

白内障用眼内レンズの場合、水晶体を取り除いて入れます。それとの区別のため、視力回復を目的とした眼内コンタクトは「フェイキック」IOL(水晶体を残す眼内レンズ)と呼ばれます。

ICLとは?

フェイキックIOLには眼にレンズを取り付ける位置の違いで、「前房型」「後房型」と呼ばれる2種類があります。ICLというのは後房型レンズの一種です。

フェイキックIOLの種類 製品名称例
前房型フェイキックIOL アルチザン
後房型フェイキックIOL ICL

ICLというのは実は製品名称です。ICLは米国スターサージカル社の後房型フェイキックIOLなのです。

日本ではICLを使ったフェイキックIOLが一般的です。そのためフェイキックIOL=ICLと世間では認識されているようです。ステープラーにおけるホチキスのような存在ですね。

フェイキックIOLを前房型、ICLを後房型と説明しているブログがありますが、これは誤りです。前述の通り、フェイキックIOLは水晶体を残したまま入れる眼内レンズの総称です。

ICLは後房型フェイキックIOLです。日本で行われているフェイキックIOL手術のほとんどはICLです。

前房型と後房型の違い

フェイキックIOLは眼に入れるレンズの位置によって前房型と後房型に分かれます。日本ではフェイキックIOL手術の96%が後房型(ICL)です。世界シェアでも70%近くが後房型です。

フェイキックIOLの歴史としては前房型のほうが長いのですが、後発の後房型のほうがメリットが大きく、現在ではフェイキックIOLの中心は後房型です。

ここでは前房型と後房型の違いをご紹介します。

眼に入れるレンズの位置

前述の通り、フェイキックIOLは眼に入れるレンズの位置によって前房型と後房型に分かれます。

眼の構造を簡単に説明すると、目の表面手前から角膜、虹彩、水晶体と並んでいるのですが、角膜と虹彩の間にレンズを入れるのが前房型、虹彩と水晶体の間にレンズを入れるのが後房型です。

手術時間

手術時間は前房型、後房型ともに片眼20分程度です。ただし前房型の場合、原則同じ日に両眼を手術することができません。

デメリットとリスク

前房型のデメリットの一つはレンズがずれることがあるということです。ずれてしまった場合、再手術が必要になる可能性があります。

また虹彩と呼ばれる部分に穴を開ける必要があるという点です。虹彩に穴を開けることによるリスクが生じます。

後房型の場合、前房型にあるようなデメリットは特にありません。よほど強い衝撃を受けない限りレンズがずれることはないと言われています。

以前は後房型も虹彩に穴をあける必要がありましたが、2014年にレンズ自体に穴があいているホールICLが認可されてからはその必要がなくなりました。

ただし後房型でも強い衝撃を受ければレンズがズレる可能性はゼロではありません。眼内レンズを入れるという選択をするならば、強い衝撃を受ける可能性のあるスポーツ(ボクシング・ラグビーなど)は避けたほうがよいでしょう。

前房型と後房型の違いまとめ

  前房型 後房型
レンズ位置 角膜と虹彩の間 水晶体と虹彩の間
手術時間 片眼20分程度。両眼同日に手術できないことがある。 片眼20分程度。両眼同日に手術できる。
デメリット レンズがズレることがある。虹彩に穴をあける必要がある。  
リスク (後房型と比べて)角膜内皮障害 (前房型と比べて)白内障 
費用 70-80万円程度 70-80万円程度

前房型と後房型を比べた場合、後房型が前房型に劣る点はありません。特別な理由がない限り(後房型が眼に適さないなど)フェイキックIOL手術をするなら後房型のICLがよいでしょう。

比較表には後房型のリスクとして白内障を挙げていますが、2014年ホールICL登場によりそのリスクはほとんどなくなりました。

フェイキックIOLをするならICLがお勧めです

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